韓国は日本に比べて容姿を気にする人が多い印象。なぜなら、社会全体が外見を重視するためです。可愛くなければ就職も難しいというのは本当なのでしょうか?
韓国は外見至上主義?
この頃、世界中で問題視される外見至上主義。外見や見た目を重視することで生じる差別を表す言葉で、ルッキズムともいわれます。残念ながら、韓国ではこの言葉を避けて通ることができません。
容姿が悪いと…
韓国では、日本に比べ容姿が重視されるとよく言われますが、国際結婚をして10年、それを実感することもしばしば。例えば、義妹は小さな頃から「ブス」といわれながら育っています。義母は出産した病室で「あまりの不細工さに号泣した」と今でも話しますし、親戚も「市内で1番可愛くなかった」と平気でいうのです…。
では義妹は実際にどのような人かといえば、身長170センチのスレンダーボディ、透き通るようなお肌に絹のようなロングヘア。つまり私から見るとアイドル級の超絶美女なのです!韓国での結婚式に来てくれた私の男友達も、義妹を必死に口説いていたほど(笑)
それにも関わらず家族にこのように扱われる理由は、たったひとつ。なんと目が一重だから。つまり韓国では、目が一重なだけで可愛くない存在とみなされ、それをずっと指摘され続けるのです。
実は私の息子の目も生まれたばかりは一重でした。まだ赤ちゃんの息子を連れて、韓国の義父母の行きつけのカルグクス(麺料理)のお店に行ったときのこと。突然、息子がぐずって泣いてしまったら、店員さんや周囲のお客さんにとても冷たい態度を取られました。なんと「ブスがうるさく泣いてる」とまでいわれたのです!
しかし息子は成長するにつれパッチリ二重に。すると渡韓する度、知らない人から声をかけられベタ褒めされるように。そして、例のカルグクスを食べに行ってみると、店主が「かっこいい!」を連呼。昔「ブス」と呼んだ私の息子にお菓子や飲み物をサービスし、大歓迎してくれる有り様(笑)
就職にも影響…
このような外見至上主義は就活にもダイレクトに影響。韓国では高校や大学入学時に整形する、という話を聞いたことがある方も多いかと思います。親が入学祝いに整形をすすめたり、整形代を出すのは、全て事実。実は、その先の就職活動を見越してのことなのです。
このように、韓国の現代小説、チョ・ナムジュの『82年生まれ、キム・ジヨン』やソン・ウォンピョンの『三十の反撃』などに描かれるような外見による女性蔑視は、未だ根深いといえます。もちろん、韓国社会も世界の影響で、少しずつは変わりつつあります。このような外見至上主義に苦しむ人が少しでも減ればよいと願っています。
ちなみに…義妹に会うたび「日本なら絶対女優デビューしてる!」「可愛すぎる!好き!」とベタ褒めしていたら、この頃、親戚の反応も「確かに?可愛いかも?」と変わってきたのです(笑)国際結婚でいろいろな美の価値観が交わることも、もしかしたら解決につながるのかもしれません(笑)